養殖に成功したクルマエビ
インド洋などの熱帯の河口域で生息しているクルマエビ。県内では昭和46年頃からクルマエビの養殖が始まり、現在では久米島をはじめ16ヶ所の養殖所がある。生産量は全国第一位を誇る。27年前から養殖を行っている「宜野座養殖所」はマングローブが自生している川のちかくにあり、珪藻(植物プランクトン)も多く発生するなど水環境が非常に良い。こうした理想的な環境の下で、クルマエビは18〜19センチを超える大きさまで育つ。
品質を保つためのこだわり
品質の良いクルマエビを育てるには、日頃の小まめな管理とエサが重要。宜野座養殖所の面積は21,200平米、約200万匹のクルマエビを6名のスタッフで管理。スタッフは毎日池の中に潜り、クルマエビの調子とエサの確認をするそうだ。所々に水車を置き、酸素濃度を快適に保つ。与えるエサは、ビタミン、ミネラルが豊富で高タンパク質、人間でも食べられるほどの栄養がある。川崎さん曰く、一年で一番忙しいのは12月のお歳暮の時期。古くから縁起物として重宝されてきたクルマエビは、自分で楽しむだけでなく大切な人に贈る品としても人気が高い。
クルマエビをもっと身近に楽しむ
宜野座養殖所では、鮮度抜群の美味しいクルマエビを皆に提供したいとの思いで、直営のレストランを約10年前にオープン。新鮮なクルマエビほど、身の張りが良く甘みが強い。刺身、塩焼き、天ぷら、鍋など様々な調理法で楽しむことができるのも魅力的だ。尻尾や残った殻は、素揚げや天ぷらにすると香ばしくえびせんのような味わいになり、捨てる所なく食べることができる。直営という強みで、高級なクルマエビを安価で美味しく食べられる、地元でも人気のレストランだ。宜野座村の貴重な観光資源にもなっている。

- クルマエビは、高タンパク低カロリーで、ダイエットに適している。また、強い抗酸化作用を持つビタミンEを多く含み、細胞の酸化を抑え、老化を予防する効果があるといわれている。外殻に含まれる動物性食物繊維のキチン・キトサンには、血中の悪玉コレステロールを下げる作用もあるので殻まで食べるのもおすすめ。