国内外で評価される黒毛和牛
もとぶ牛は、沖縄生まれ沖縄育ちの黒毛和牛。本部町にある「もとぶ牧場」で、自然に囲まれた環境で育てられている。2013年度全畜連肉用牛枝肉共進会の黒毛和種去勢牛の部で農林水産大臣賞など七つの賞を受賞し、全国1位にあたる最優秀賞に輝いた。最近ではシンガポールや香港など海外からの需要も増えてきているそうだ。もとぶ牧場では母牛を育て、健康な子牛を産ませる取り組みを行っている。子牛の生産から独自の飼料、牧草の栽培まで丁寧に行い、品質の良い牛肉を産み出している。
愛情を持って育てられる
牧場にいる牛は約2200頭。スタッフ一人で200~300頭の牛を担当し、一日2回の食事の用意と朝昼晩の掃除を日々徹底して行っている。成牛が一日に食べるエサは最大で10キロにも上り、牧場全体ではなんと毎日6トンもの飼料を消費するそうだ。飼育のポイントをスタッフの古堅さんに尋ねると、「一頭一頭大切に、愛情を持って接すること」と笑う。毎日、愛情を持って接していると、牛の性格も体調も見ただけですぐ分かるそうだ。
とろけるような肉質の秘密
もとぶ牛の魅力はなんといっても口の中で溶ける肉質。お肉が柔らかい理由を尋ねてみると、その理由は飼料にあった。もとぶ牧場独自の飼料は、オリオンビール工場からのビール粕、トウモロコシ、糖蜜などを混ぜ、10日間ほど発酵させたもの。ビール粕を摂取することで牛肉の旨みを左右すると言われる不飽和脂肪酸(ふほうわしぼうさん)が増えるそうだ。不飽和脂肪酸は、融点が低いので、口の中の体温で溶ける感触がありより美味しく感じられる。手間暇かけてつくる独自の飼料が、和牛の旨みを最大限に引き出しているのだ。

- もとぶ牛は不飽和脂肪酸が一般的な黒毛和牛の平均値より高いのが特長。不飽和脂肪酸は健康に良く体脂肪になりにくいのでダイエットに役立つ重要な栄養素と言われている。また、血中の中性脂肪やコレステロールの量の調節を助ける働きもある。また、女性に不足しがちな鉄分も多く含まれているので美肌と新陳代謝に効果的だ。