甘く芳醇な香りと濃厚な風味
甘味が強く濃厚で香りが高いことで、上品で高級なフルーツとして人気のマンゴー。沖縄の温暖な気候と隆起珊瑚礁の土壌は、マンゴーの栽培にとても適している。複数の種類があるが、沖縄を含め国内で生産されるマンゴーのほとんどが、アップルマンゴー(アーウィン種)と呼ばれる品種。美味しいマンゴーの見分け方を山城さんに聞くと、縦横均等に実が大きく、紫に近い赤で艶があるものが良いそうだ。また、新鮮なものは果皮に白い粉(ブルーム)がついているという。収穫して2〜3日後、甘さと香りが増してさらに美味しくなる。
こだわりの栽培方法
マンゴー栽培で最も大事なのは「誘引」と「玉吊り」。誘引とはマンゴーの実の高さがバラバラにならないようにヒモで枝を引っ張り、高さを調整すること。実が肥大してきたら下に落ちないように上に吊るす作業を「玉吊り」という。誘引と玉吊りをすることによって、日光がまんべんなく当たり、風通しもよく湿気対策になる。また、糸満市の土壌は島尻マージという赤土で水はけがよく、マンゴー栽培に非常に適している。
マンゴーの美味しさの秘密
沖縄の大地で育ったマンゴーは甘さや大きさだけでなく、適度な酸味も加わっている。更にミネラル質の高い土壌で栽培しているため、他県にはない、しっかりとした味に仕上がるそうだ。県内でも多くのマンゴー農家が栽培を行っているが、山城さん曰く“他のマンゴー農家はライバルでもあり良き相談相手”。コンテストなどを通じて農家同士が切磋琢磨することでモチベーション向上にもつながり、より良い品質のマンゴーが県内各地で育てられている。

- マンゴーに含まれているβ-カロテンは、体内で必要な分だけビタミンAに変換され、皮膚の粘膜を保護し、肌荒れや細胞の老化を予防する。マンゴーに含まれるビタミンCはメラニン色素生成の防止による美肌づくりや、ストレスや疲労解消にも効果的。