ゴーヤーは海外からやってきた!?
沖縄の夏野菜といえばゴーヤーというイメージだが、実はインドや東南アジアが原産地。そこから中国に伝わり、沖縄へとやってきた。世界には様々なゴーヤーがあり、その種類はなんと300種類ほど! その内20種ほどが沖縄にある。各種の違いは微々たるもので、今まで沢山のゴーヤーを見てきた奥山さんも全てを見分けるのは難しいそうだ。
とはいえ、ゴーヤーの味を見分けるコツはある。「固くて色が濃くイボが密集しているのが新鮮で苦いゴーヤーなので、チャンプルー向き。色が薄くて太っているのが水分豊富で苦味が少ないサラダ向きのゴーヤーだよ」と教えてくれた。
自分好みに合ったゴーヤー選びを
「品種によってゴーヤーの特徴はさまざま。調理方法や目的で選ぶと更に美味しくなるよ」と奥山さん。ゴーヤーパークで育てている主な4品種を例に、その特徴を聞いた。
「あばしゴーヤー」は、こぶりで太っていて苦味が少なく本土にも多く見られる。一般家庭でもよく自家栽培されており、長さは20~30cm。太さも、直径7cmから15cmまで様々。沖縄県の栽培農家専用品種である「汐風(しおかぜ)」は寒さに強く冬でも勢いよく成長するため年間を通して食べることができる。冬にゴーヤーが美味しく食べられるのもこの汐風のおかげだ。この品種は長さ30cmを越すものまであり、太さは直径7cmから10cmほどまである。「中長(ちゅうなが)ゴーヤー」は沖縄在来のゴーヤーで身がきゅうりのように細長い。苦味が強く調理しやすい形でゴーヤー好きにはオススメ。太くてずんぐりした「群星(むるぶし)ゴーヤー」は品質が良くて身がジューシー。沖縄の八百屋さんでよく見られる品種。日ごろ何気なく食べているゴーヤーにも、さまざまな種類があるのだ。
ゴーヤーの魅力にもっと触れてほしい
ゴーヤーという沖縄での呼び名が全国に広まったのは、平成12年(2000)のNHK連続テレビ小説「ちゅらさん」の放送がきっかけだ。今では沖縄を代表する野菜として、全国区の知名度を誇る。
しかし、奥山さんは、まだまだ知られていないゴーヤーの魅力がたくさんあるという。「県内の皆さんも普段とは違った調理方法で、ゴーヤーの新しい味わい方にもチャレンジしてほしいです。ゴーヤーパークのイチオシは“ゴーヤ茶”。ゴーヤーだけで作ったお茶で、苦味もなく栄養豊富です」と奥山さん。中華風や洋風など、ゴーヤーをおいしく食べられるレシピはたくさんあるそうだ。
ゴーヤーは6月から8月が最もおいしい季節。沖縄の食文化に根付いた身近な野菜、ゴーヤーの新しい魅力に触れてみたい。

- ゴーヤーは、旬である夏が一番美味しくて栄養価も高い。
ゴーヤーに含まれているビタミンCはレモンやキャベツの4倍。
疲労回復を助け鉄分の吸収を良くしてくれる。
一般的に野菜に含まれるビタミンCは熱に弱いが、ゴーヤーは調理で熱しても壊れにくくしっかりとビタミンを吸収できる。