黒糖づくりの歴史
サトウキビは沖縄の方言で“ウージ”。もともとの原産地はインドで、そこから東南アジアに広まった。サトウキビから作られる黒糖は、「含蜜糖」と呼ばれ、絞ったキビ汁を煮詰めて糖蜜分を固めたものだ。黒糖づくりは1623年、儀間真常が中国へ人を派遣し、製糖法を学び琉球へ持ちかえらせたのが始まりと言われている。黒糖は、長い歴史を経て、琉球の重要な産業として広まっていった。現在、沿道に続くさとうきび畑は、沖縄ののどかな風景として認知され、さとうきびにまつわる歌や映画も多く存在する。
昔ながらの製造方法で風味豊かな黒糖に
「沖縄黒糖」の工場では、収穫されたサトウキビを二連式圧搾機という機械にかけ搾っていく。全重量の75%がキビ汁で残りの25%は絞りカス。このキビ汁を煮詰め、アクなど不要なものを取り除きながら飴状になるまで濃縮する。濃縮したキビ汁を鉄板の上に流し込むと、数分間で乾燥し固まる。それを適当な大きさに切ったら黒糖の出来上がりだ。キビ汁の甘さだけにこだわり、添加物は一切使わない。また、甘さやとろみは、手作業で回しながら確認を行う。昔ながらの製造方法を守りながらも、よりコクのある黒糖を追求しているそうだ。
様々な料理や美肌パックで黒糖を楽しむ
サトウキビの植付けは「春植え」「夏植え」「株出し」の3種類あり、甘みが増す冬場に収穫される。冬場に採れたサトウキビからできる黒糖は、もっとも甘いので、おしるこやケーキなどスイーツを作るのにおすすめだ。お肉料理や煮物との相性も良く、黒糖を入れることでコクのある甘さに仕上げてくれる。また、カルシウムが豊富に含まれている点もうれしい。料理以外にも、とろみがつくまで煮詰め、冷ました黒糖をパックとして活用すると、美白や肌の角質除去などの美容効果があると言われている。

- 黒糖には美容に欠かせないビタミンやミネラルが豊富に含まれている。また、オリゴ糖の一種で、植物に広く含まれているラフィノースという成分は、便秘解消に効果があり、お腹の調子を整えてくれるそうだ。貧血防止の鉄分、骨や歯を作るカルシウムといった体に必要不可欠な成分も含まれているため、日頃使っている砂糖を黒糖に変えてみるのもおすすめ。