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沖縄野菜の定番と言えばゴーヤー。ちゃんぷるーやお浸しなど、県民の食卓でお馴染みの食材だ。 そんなゴーヤーの話を聞くために訪れたのは名護市中山にある「ゴーヤーパーク」。ゴーヤーパークに勤めて8年の奥山さんに、意外と知られていないゴーヤーの豆知識について聞いた。
沖縄の夏野菜といえばゴーヤーというイメージだが、実はインドや東南アジアが原産地。そこから中国に伝わり、沖縄へとやってきた。世界には様々なゴーヤーがあり、その種類はなんと300種類ほど! その内20種ほどが沖縄にある。各種の違いは微々たるもので、今まで沢山のゴーヤーを見てきた奥山さんも全てを見分けるのは難しいそうだ。 とはいえ、ゴーヤーの味を見分けるコツはある。「固くて色が濃くイボが密集しているのが新鮮で苦いゴーヤーなので、チャンプルー向き。色が薄くて太っているのが水分豊富で苦味が少ないサラダ向きのゴーヤーだよ」と教えてくれた。
「品種によってゴーヤーの特徴はさまざま。調理方法や目的で選ぶと更に美味しくなるよ」と奥山さん。ゴーヤーパークで育てている主な4品種を例に、その特徴を聞いた。 「あばしゴーヤー」は、こぶりで太っていて苦味が少なく本土にも多く見られる。一般家庭でもよく自家栽培されており、長さは20~30cm。太さも、直径7cmから15cmまで様々。沖縄県の栽培農家専用品種である「汐風(しおかぜ)」は寒さに強く冬でも勢いよく成長するため年間を通して食べることができる。冬にゴーヤーが美味しく食べられるのもこの汐風のおかげだ。この品種は長さ30cmを越すものまであり、太さは直径7cmから10cmほどまである。「中長(ちゅうなが)ゴーヤー」は沖縄在来のゴーヤーで身がきゅうりのように細長い。苦味が強く調理しやすい形でゴーヤー好きにはオススメ。太くてずんぐりした「群星(むるぶし)ゴーヤー」は品質が良くて身がジューシー。沖縄の八百屋さんでよく見られる品種。日ごろ何気なく食べているゴーヤーにも、さまざまな種類があるのだ。
ゴーヤーという沖縄での呼び名が全国に広まったのは、平成12年(2000)のNHK連続テレビ小説「ちゅらさん」の放送がきっかけだ。今では沖縄を代表する野菜として、全国区の知名度を誇る。 しかし、奥山さんは、まだまだ知られていないゴーヤーの魅力がたくさんあるという。「県内の皆さんも普段とは違った調理方法で、ゴーヤーの新しい味わい方にもチャレンジしてほしいです。ゴーヤーパークのイチオシは“ゴーヤ茶”。ゴーヤーだけで作ったお茶で、苦味もなく栄養豊富です」と奥山さん。中華風や洋風など、ゴーヤーをおいしく食べられるレシピはたくさんあるそうだ。 ゴーヤーは6月から8月が最もおいしい季節。沖縄の食文化に根付いた身近な野菜、ゴーヤーの新しい魅力に触れてみたい。
淡白な味わいのささみにゴーヤーの苦味が交わって、いつもと違うサクッと美味しいゴーヤー料理を楽しむことができる。ベーコンを巻いて食べるのが主流だが、中の具にチーズやしその葉を巻いても絶品。
ピザソースをぬったトーストにゴーヤーとトマト、チーズをのせてオーブンで焼くとゴーヤーピザの出来上がり。ゴーヤーはトマト、チーズと相性がバッチリなのだ。角切りにしたポークを加えたらボリュームも出る。ゴーヤーが苦手な子供達におすすめだ。
夏バテ防止にも効果のある夏の定番野菜のゴーヤーをさっぱりと食べられるちらし寿司。わたを綺麗に取っておくと苦味が減り食べやすくなるので、ゴーヤーの苦味が苦手な人にも美味しく食べられる。火も使わず簡単に調理できるので、忙しく暑い夏の日におすすめ。
「ゴーヤーパーク」は入園無料、年中ゴーヤーが実っていて、いつでもゴーヤーの栽培を見学できる。ここでは土ではなく、水と水溶性肥料を使った水耕栽培という方法でゴーヤーを育てている。土で育てるよりも成長が早く、安定した収穫量になるそうだ。直売所も併設されており、栄養満点のゴーヤー茶の試飲や、新鮮で安いゴーヤーも購入できる。ゴーヤーの日、5月8日は毎年一本58円でゴーヤーを販売。
今帰仁産の農産物が並ぶ直売所、加工販売、レストランが併設された「今帰仁の駅そ~れ」。ゴーヤーをはじめ、沢山の新鮮な野菜や果物を販売している。地産地消を心がけるレストランの日替わり「そ~れ定食」は農林水産大臣賞を受賞したこともある人気のメニューだ。5月8日のゴーヤーの日は、ゴーヤーづくしの料理を提供するほか、北部農林高校生がゴーヤーの苗を無料配布している。
古民家風の外観に沖縄在来種の花々が咲く庭が大人の落ち着いた雰囲気を出している。日頃からゴーヤーを使用した料理を定食に盛り合わせ。 ゴーヤーレバー(衣にゴーヤーを使ったレバーの天ぷら)など珍しいゴーヤー料理もある。
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