東村

貴重な沖縄県産コーヒーの手摘み収穫&焙煎体験が楽しめる「又吉コーヒー園」

2020年03月05日 更新

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  • レジャー・体験

沖縄県北部・やんばる地帯にある「又吉コーヒー園」では、約4年前からコーヒー栽培に取り組んできた。そして2017年、ついに沖縄県産コーヒーの初収穫を開始。さらに嬉しいことに、その貴重な県産コーヒーを、収穫から焙煎まで体験できるプログラムがつくられた。

実はここ沖縄は、コーヒー栽培にギリギリ適している地域。台風の多い厳しい環境のもとでの栽培は難しく、やっと少量を収穫できるコーヒーは生産者の努力のたまものだ。

農園の方が、研究に研究を重ね、たった2時間で収穫から焙煎までの体験を可能にした「又吉コーヒー園」の「収穫&焙煎体験」を、実際に体験してきました。

【記事のプラン】収穫&焙煎体験コース(県産コーヒー豆収穫⇒焙煎⇒挽く⇒試飲)

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【プチ体験】焙煎体験コース(焙煎⇒挽く⇒抽出⇒試飲)

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■東村にある「又吉コーヒー園」



沖縄自動車道の許田ICまたは宜野座ICを降りて、亜熱帯の景色を眺めながら車を走らせること約45分。「又吉コーヒー園」は、東村慶佐次(ひがしそん・げさし)の森の中にあった。

東京ドーム約2つ分の広大な敷地内には、コーヒーのほかにもマンゴーやパパイヤ園、オーシャンビューの隠れ家コテージ、炊事場などを完備したキャンプ場なども。珈琲づくりを体験した後に、コテージで宿泊しても楽しそうだ。



今回案内してくれるのは、又吉コーヒー園代表の「又吉(またよし)拓之」さん。

「又吉コーヒー園」はもともと、県内外から人気のあった観光施設「沖縄かぐや園」というバラ園だった。又吉さんは「父が運営していたバラ園ですが、バラを美しく咲かせるためには、どうしても農薬を使わざるを得ません。その現場を見るうち『農薬を一切使わずに、何かできないか』と考えていました。また、2012年の台風で、バラもかなりのダメージを受けてしまって。そんな時、知人から勧められたのがコーヒーでした」と、教えてくれた。

体験できるプランは「収穫&焙煎体験コース」「焙煎体験コース」の2つ。体験メニューは2,000円台~楽しむことができる。

本日は「収穫&焙煎体験コース」をチョイス。

■又吉さんの案内のもと、いざコーヒー園へ。



入口から歩いて数分程度の場所にコーヒー園があり、又吉さんの案内のもと、コーヒー園に向かう。

向かう途中も、又吉さんがコーヒーについてのマメ知識やコーヒー作り体験ができるようになるまでの過程、苦労などを面白おかしく話してくれた。



ハウスの中には、大人の背丈より少し高いくらいの木々がたくさん並んでおり、初めて見るコーヒーの実を見つけた瞬間、思わず「わ!すごい!」と大興奮。

コーヒーの木はとても細く、台風対策がとても大変だということが伝わってくる。

■収穫スタート!



最初にコーヒーの実を入れるカップを受け取り、収穫の方法について又吉さんからレクチャーを受けた後、収穫スタート。

最初は約100株のコーヒーの木からスタートしたコーヒー園。現在では約1100株の植え付けが完了し、無農薬栽培で育てた木には、真っ赤なコーヒーチェリーの実がたくさん実っていた。

たくさん実っている中で、収穫する対象は濃い赤や黄に色づいた実。特に深いワインレッドの色の実はちょうどよく熟しているそうだ。実はつまんで少しねじるだけで簡単に手摘みができる。

収穫時間約10~15分ほどで、カップがいっぱいに。完全無農薬の実を一粒かじってみると、意外な甘さにビックリ。糖度20度にもなるコーヒーは、実は甘い実をつける果物なのだそう。



5年目の木で、一株から採れる実は約3~5kg。そこから加工してコーヒーになるのは、多くてもわずか10分の1の量500gほどなのだとか。実際にその量を目の当たりにすると、コーヒー栽培の難しさや、県産コーヒーの貴重さが分かる。



「いっぱい摘めました!」と、みんなで摘んだ実を見せ合いっこ。大人も夢中になる収穫は、子どもも簡単に楽しめるので、ファミリーでの体験もおすすめだ。

■摘みたての実を持って、作業場へ。



収穫が終わった後は、お散歩気分で敷地内を移動。やんばるの風景を楽しみながら、自然の空気をたくさん吸い込むのが心地よい。

ちなみに又吉さんは、行きも帰りも終始後ろ向きに歩きながら話を聞かせてくれる。数分間の短い移動時間も、まるでガイド付きバスツアーのように楽しい時間を過ごすことができた。

■加工~焙煎作業スタート



店舗の隣に設置されているブーゲンビリアに囲まれた作業場に到着。ここで、収穫したばかりの実から1杯のコーヒーを淹れるまで、全て自分の手で作業する。

(1)コーヒーの実から種を取り出す



又吉さんからコツを習って、ひとつひとつ丁寧に種子を取り出すことからスタート。

赤い部分の外皮や果肉の中には、白い種子(コーヒー豆)が。この白いコーヒー豆がどのようにして飴色のコーヒーになるのか、まだこの時点では見当もつかず、ワクワクしながら作業を進めていった。

(2)実を洗う


実から取り出したばかりのコーヒー豆は、少しネバッとした感触。水洗いを行うことで、この粘膜質を取り除き、生豆の状態にする。

(3)乾燥


濡れた状態の生豆は、火で炙って乾燥する。上下にひっくり返しながら、豆が常に動くように網をシャカシャカ。



乾燥している最中の豆は、このような感じ。まだまだ見慣れた茶色の見た目ではないが、なんとなくコーヒーに近づいてきたような気がして、わくわく感が急上昇。

(4)殻を取り除く


次は、乾燥した豆の薄皮を取り除く行程。ここで登場したのは、なんと精米機。機械を回して取り出してみると、殻と豆がキレイに分かれた状態の豆が出てきた。



余分な殻を取り除くのは、原始的な方法で。扇風機に風を当てると、軽い殻だけをサラサラと飛ばしていった。残った豆は、真ん中に割れ目がくっきり見える“アノ形”に!少し緑がかった色をしていた。

(5)焙煎


体験の行程もそろそろ終盤。焙煎作業は、乾燥行程と同じ要領で火に当てながら約10分かけて豆を煎る。

しばらく網を振ると…「あ!いい匂い!」と、作業場は大盛り上がり。茶色に変化していく豆から、香ばしいコーヒーの匂いがふわふわ漂ってきた。

ここで、コーヒーの好みの濃さによって焙煎時間が変わってくる。濃いめ派の人は時間を長めに、マイルド派の人はちょっと時間を短めに煎ると良いそうだ。



又吉さんが、好みの濃さにあわせてストップをかけてくれ、つやつやのコーヒー豆が完成。あの赤く実った豆が、本物のコーヒー豆になる瞬間を目の当たりにできるなんて、と不思議な気分に。

実際に体験してみないと分からない、生の感動があった。

(6)豆を挽いて粉にする(グラインド)


ここまで来たらもう少し。焙煎した豆を、ミルに入れて粉砕。ぐるぐるハンドルを回す表情も自然と笑顔に。どんな味に仕上がるのか、期待が高まる瞬間だ。



挽き立ての粉に、鼻を近づけてクンクン…。うっとりするような良い香りに、その場で思わず拍手が起こった。この香りを写真で伝えられないのが残念だが、是非一度体験していただきたい。

(8)抽出(ドリップ)


最初は、全体的にお湯をシャワーのように振りかけてじっくりと蒸らし、蒸らした後は、お湯を100円玉のサイズの円を描きながら注いでいく。もこもこの粉のふくらみを崩さないように、そーっと淹れるのがポイント。

(9)あとはコーヒーを楽しむだけ!


ついに自分だけの一杯が完成!自分でつくった一杯は、愛着もひとしお。この日、この瞬間だけにしか存在しない特別な味わいを堪能した。



「自分で煎れたコーヒーはひときわ美味しいね!」と、幸せいっぱいな気分に。



コーヒーのお供も一緒にどうぞ。と、パンのサービスも。パンの横に添えたジャムは、加工体験の最初に取り除いたコーヒーの実の外皮部分を使用してつくったものだそうだ。

体験を楽しんだ後は、お土産チェックもお忘れなく。併設のカフェでは、自家焙煎コーヒー豆が各種販売されている。体験の思い出やギフト用にぴったりだ。



また、併設のカフェスペースでは無農薬コーヒーのほか、自家製カレーやホットドック、沖縄ぜんざいなどのメニューも充実。今帰仁村にあった人気ベーカリー「Coo(クー)」のパンも並んでおり、天然酵母のパンをお土産や明日の朝食用に購入してもよさそう。

約2時間にわたって沖縄県産コーヒーに触れた、今回の「収穫&焙煎体験コース」。初めて見るコーヒーの木を目の前に、自分の手で触れて、香りや味を感じながら、コーヒーにまつわる話を聞くことで、中々得られない達成感や美味しさを経験することができた。

コーヒー好きの方はもちろん、コーヒーの魅力をこれから知る人も。「又吉コーヒー園」で、ここでしか得られない体験を是非味わってみてはいかが。

◆今回体験したプランはこちら






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